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アクティブラーニングは学生が主役〜その8〜

国際学部の竹澤伸一教授による「アクティブラーニング」コラム第8回。竹澤先生は学生一人ひとりを授業の「主人公」にするために、時に引き立て役となり「学ぶこと」の楽しさを共有し、通常の授業がもつ潜在力を引き出しています。

   


アクティブラーニングは学生が主役

「つまり『学んだつもり』がいけないんですよね。」この連載の「編集者」の言です。前回の「グループ学習の陥穽」の本質を一言で言い表しています。では「学んだつもり」から「主役である学生」をどう脱却させるか。キーワードは「復唱」です。突然ですが私は年間に映画を500本観ます。「見る」のではなく、「観る」のです。理由は省きます。その中に必ず「戦争もの」があります。そして例外なく「命令下達→復唱」のシーンが何カットか出てきます。なぜ「復唱」するのか。ミスが許されないからです。戦場ではミスは命取りだからです。でも教室ではミスは大歓迎です。「間違った答え」から展開の幅が広がることがよくあります。あえて「ミスを誘発させる」ために、学生に「復唱」させるのです。「復唱」には2つのパターンがあります。

1つは自己確認。もう1つは他者確認(造語)です。まず自己確認とは何か。すべての「授業」に1つ以上は、「覚えなければならないもの」があります。「覚える」つまり「記憶する」ことは、一種の「学びの証(あかし)」です。「証」を確認することで「学んだつもり」から脱却させます。私はグループ学習の終了時に必ずこう言います。「今の君たちの発表の中に・・というキーワードがあったよね。じゃあ誰か、・・について、わかるように説明してみて。」そう、「説明させる」のです。口頭で、あるいは書かせて。

「説明できる」から「わかっている」のです。「わかること」が「主役になる」ことなのです。ではもう1つの「他者確認」とは?「授業」で発せられた、自分以外のすべての発言内容の確認です。「ねえ、今のグループの発表さあ、要約するとどういうことかな。誰か説明してみて。」はい、ここでも説明です。「説明できる」ってことは、そのグループの発表がわかりやすかったという証明にもなるのです。戦場ではなく教室なので、「復唱」は「リピート」である必要はありません。自分が「復唱」しても他者が「復唱」しても、語彙やニュアンスが微妙に違ってきます。その「違い」がいいのです。「授業」に膨らみをもたせるのです。この「復唱」の効果は「ある場面」で大きな力を発揮します。そうです。入学・入社試験での「グループ面接」という「場面」です。