教員 & 研究

Faculty & Research

ケースメソッド

Case Method

  1. TOP
  2. 教員 & 研究
  3. ケースメソッド
  4. 思考の引き出し

思考の引き出し

テーブルの上にコップが乗っていると想像してください。真横から見れば、長方形か台形に見えます。真上から見れば円形、手に持って底から見れば、やはり円形。同じコップなのに見る角度を変えれば、まったく違って見えます。表裏、上下左右、東西南北。見る角度が変わると、別のものに見えることがあります。このことはビジネスの世界にも通じます。
ビジネスケースを用いたケーススタディでは、経営者になりきって判断することを求められます。経営者も局面ごとに様々な思考法を活用して経営判断を下しています。しかし、それはあくまでも「経営者として」です。経営者とは異なる立場に立っているわけではありません。会社の業績が上がるような経営判断をしているのです。ひょっとするとコップを横からだけしか見ていないかもしれません。自社がつくる製品のエンドユーザーの立場にたつ視点が欠けている可能性があります。


今、都心型コースでケーススタディに取り組んでいるのは、実務経験のない大学生です。むしろ経営者ではなくエンドユーザーです。だからエンドユーザーとしての「思考の引き出し」を開けて経営者を見ても良いのです。それが、身の丈にあった、腑に落ちる思考なのです。もちろん将来を見越して経営者の立場も追体験する。しかし消費者の視点にも立つことができる。複眼的な思考は「思考の引き出し」の数を増やし、引き出しに奥行きをつくります。
近年、「as思考」という視点がケーススタディに登場しています。「as」即ち「・・として」の思考です。経営者として、消費者として、エンドユーザーとして。この「as思考」が身につくと、自分自身、素晴らしい経営者に近づけます。