教員 & 研究

Faculty & Research

ケースメソッド

Case Method

  1. TOP
  2. 教員 & 研究
  3. ケースメソッド
  4. 授業レポート
  5. アクティブラーニングで考えるマーケティング

アクティブラーニングで考えるマーケティング

#アクティブラーニング #ケーススタディ

小野裕二先生による「マーケティング論」では、私たちに馴染みのある外食産業のマーケティング戦略をアクティブラーニングで考察しました。日本に存在する企業のうち99.7%は中小企業であり、日本経済を支えているといっても過言ではありません。また外食産業は年々市場規模が縮小しており、70%の飲食店は3年以内につぶれると言われているのが昨今の現状です。今回のケースでは滋賀県にある海鮮寿司屋「新鮮組」を取り上げ、売上高が減少しつつある経営状況を打開する方法をアクティブラーニングによって模索します。


寿司屋のターゲットは誰?


中小企業は大企業とは違い、「ヒト・モノ・カネ」といった資源に限りがあります。その制約の中でどうやって経営をしていくのかというのが今回のケースの課題です。
ケースの主人公は父親が経営する滋賀県にある海鮮寿司屋「新鮮組」のマーケティング戦略を考えています。ケース時点(2014年)で今後3年から5年の間で売上高を200万円/月、営業利益60万円/月を達成するために、どのようなマーケティング戦略を展開するのかをディスカッションしました。

まずは地元民、観光客どちらを取り込むべきなのか、地元民派と観光客派でそれぞれの戦略を発表します。
地元民派の学生は、店が駅から遠いので地元民にリピーターになってもらうことが狙いです。そのために日替わりメニューの充実や、仕事帰りに寄りやすいよう居酒屋のようにお酒のつまみになるメニューを増やすというアイディアが出ました。
一方、観光客派の学生からは、市内には歴史的な観光スポットがあるので観光客をターゲットにし、滋賀県ならではのメニュー開発をしたり、外国人観光客向けに英語のメニューを用意するといった意見が挙がりました。
また、ターゲットの年代についても議論が繰り広げられました。若者はSNSを活用する機会が多いので、お店の情報をSNSに投稿してもらうことで宣伝費用を抑え、認知度を広める効果が見込めるという意見に対し、人口のデータより滋賀県八幡市は中高年の人口が増加していることからこの層をターゲットにし、中高年の顧客の要望に応える店づくりをするといった反対意見も述べられました。

ケースの答えはひとつじゃない

ビジネスリーダーに必要とされる能力に、「問題解決力」があります。今回の講義では、学生は地図で店の周辺情報を調べたり、お客様アンケートの結果からニーズがどこにあるのか探ったりと、多くのデータの中から必要な情報のみを抽出し、問題解決への糸口を探しました。どのように課題を解決していくのか、その答えは学生一人ひとり違っています。ケースで扱う課題に対し、正解・不正解は存在しません。大切なのは、自分なりの経営観を持つということ。
そのために、まずは企業の成功事例を追体験し、フレームワークを学び実践し、そして応用できるようになることが求められます。アクティブラーニングを通じてビジネスリーダーに必要不可欠な能力を磨いていきます。