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アクティブラーニングで学ぶ離婚請求

#アクティブラーニング #アクティブラーニング事例紹介

玉垣正一郎先生による民法概論では、民法の家族法と呼ばれる分野についてアクティブラーニングで学びました。
今回のケースは有責配偶者からの離婚請求。有責配偶者とは夫婦間で離婚の原因を作った側を指します。例えば浮気をした夫が、離婚を請求するということが挙げられます。従来の裁判例では有責配偶者からの離婚請求は認めないという考え方ですが、自分が裁判官だったらこの離婚を認めるか、認めないのか、学生それぞれが自分の意見を発表します。


浮気をした側から離婚は請求できるのか


今回は夫が有責配偶者であり、妻に対し離婚を請求しています。二人の間には社会人の長男(21歳)、大学生の次男(19歳)、中学生の長女(14歳)の子どもがいます。結婚して15年経った頃、夫は借金整理及び妻との婚姻関係解消を理由に、家出をしました。家出中に夫は、別の女性とその子どもと同棲生活を開始しています。夫は離婚に伴う一切の給付として500万円支払う提案をしています。しかし妻は長女には父親の存在が必要と考えているため、離婚意思がありません。

学生たちはケースや離婚に関する法から根拠を探していきます。
「民法第770条で、継続し難い重大な事由がある場合は離婚を認められるから、このケースに当てはまると思う」
「継続し難い事由とは、例えばDVといったことが挙げられるから、それに比べるとこのケースは当てはまらないのではないか」
「妻と子どもたちの生活は困窮していて、慰謝料500万では離婚は出来ない」
「金額は交渉して増額することで、離婚を認めることはできないだろうか?」
他の学生の発言に反論したりと、アクティブラーニングならではの盛り上がりのある講義になりました。

7週間の民法概論の講義では、民法を身近に感じ自分の知識にすることができました。民法は答えが決まっているように感じますが事例や解釈が異なれば、それに対する判決も変わってきます。講義が終わってからも先生と学生が講義内で取り上げた内容について、意見を交わす姿が印象的でした。