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アクティブラーニングで学ぶガリバーのビジネスモデル・キャンバス

#アクティブラーニング #アクティブラーニング事例紹介

都心型コースでは学期ごとに1、2、3年生合同で週末講義を4日間開講しています。
今回は、小山龍介先生の担当科目「ビジネスモデルデザイン」を紹介します。

2日目の授業ではビジネスモデル・キャンバスを用いながら、企業のビジネスモデル(=事業戦略や収益構造)を把握し課題をアクティブラーニングで見つけていきます。

授業では実在する企業の事例を学びの教材として使用します。今回取り扱うケースは中古車買取販売業者のガリバーインターナショナルです。既存のビジネスモデルに対して、新しいビジネスモデルで参入するにはどのようなアイディアがあるのか。新たなアイディアをグループと全体で出し合います。

ビジネスモデル・キャンバスとは?

【1】CS(顧客)【2】VP(価値提案)【3】CH(チャネル)
【4】CR(顧客との関係)【5】R$(収益の流れ)【6】KR(リソース)
【7】KA(主要活動)【8】KP(パートナー)【9】C$(コスト構造)

の9つの要素に分類し、それぞれがどのように関わり合っているかを描き出す手法です。
キーワードをこの9つの要素に当てはめていくことで、複雑な組織活動を目で見て簡潔に把握することが可能となります。

いまあるものを活かして


中古車業界は価格の不透明さや、事故歴を開示せず販売するなどの不正問題が起きたことから、信用度が低く見られていました。ガリバーではそのイメージを払拭するための戦略をとり、業界一位の座を得ることに成功しました。

では、その戦略はどのようなものだったのでしょうか?
学生たちはグループに分かれ、ビジネスモデル・キャンバスを作成し、ガリバーのビジネスモデルを可視化するところから授業が始まりました。複雑に思えるビジネスモデルも、ビジネスモデル・キャンバスのように要素を分けて分析することで、強み弱みなどが理解しやすくなります。

ガリバーの戦略を理解した後はこれからの戦略を考えていきます。
ヤフーオークションやメルカリといった、消費者間で売買をする「消費者間オークションの導入」についてクラス全体での討議が始まりました。

学生A「ガリバーは適正価格で買取するというノウハウと強みがあるから、消費者間オークションを利用する売り手に査定項目をマニュアルとして販売するのはどうだろう?」
学生B「個人消費者がそんなに何度も車を売るとは思わない。  売り手は1度だけ、車を売るためにわざわざマニュアルを購入しないと思う。」
先生「強みを活かそうとした視点はいいですね。他に活かせるアイディアはないですか?」

学生たちはビジネスモデル・キャンバスを見ながら、強みがどこにあるのかを再度確認し、別の視点からもアイディアを出していきます。

ビジネスの現場では思わぬ視点から新たなアイディアが浮かぶことがあります。今回のようにビジネスモデル・キャンバスを使用し、各要素の関わり合いを一目で把握することで、どこに力を入れるべきかを考えやすくなりました。また一つ、実際のビジネスに活かすことのできる方法を学ぶことができた授業でした。