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アクティブラーニングで学ぶ経済政策

#アクティブラーニング #アクティブラーニング事例紹介

名古屋キャンパスで田村 正興先生が担当する経済政策のアクティブラーニングの授業が開講されました。

経済政策には、公共事業など政府がお金を使うもの、企業に対して労働者の時給をこれ以下にしてはいけないというような規則を設定するもの、エコカー補助金など補助金 / 税金を掛けるものや、富める人から貧しい人にお金を移すものなどさまざまなものがあります。

これらの意義や効果について考えると、経済政策を理解することができるだけではなく、人々は自分に利益・不利益があることについてどのように反応するのか、どういうルールを設定すれば人々は「良い」行動を取るようになるのかという、社会生活やビジネスにも役に立つ知見が得られます。

授業では道頓堀川の飛び込み問題、学生による最低賃金引き上げデモ、オバマケアなど、毎回特定の具体的なトピックを取り上げて議論を行いました。基本的に受講生による議論で授業が進行されますが、ランダムに割り振ったグループで「経済統計クイズ」や「相関と因果クイズ」など各種に参加してもらうグループワークも行いました。学生からは、このクイズを解くことで、数的・統計的センスを磨くことができたと感想もありました。


使用ケース(すべて教員オリジナル)

  • 大阪府 2003
  • 国立市役所駐車場 2016
  • AEQUITAS 2017
  • Labdien 2017
  • 美人税
  • アメリカの医療政策 2007-2017

普段利用するサービスから制度を理解する


授業の最終週では、教室内で制度設計の実験が行われました。全面のスクリーンでは、インターネットに接続し「ヤフオク!」で商品を落札していました。

普段利用しているサービスでオークションの仕組みを理解し、オークションには、「ファーストプライス・オークション(first price auction)」と、「セカンドプライス・オークション(second price auction)」が分かりました。

ファーストプライス・オークションとは、美術品などを購入する時のオークションをイメージしてみると分かりやすく、いわゆる私たちがよく見聞きするオークションのことです。買い手が宣言した一番高い値段で商品を購入する仕組みです。このとき、買い手が市場価格よりも高い価格でその商品を入札してしまうと、その人が商品を他に転売したくても、自分の宣言した価格が市場価格よりも高いので、買値よりも安い値段でしか転売できず、損をしてしまいやすいものです。

次にセカンドプライス・オークションとは、最終的に最も高い価格を入札した買い手に販売されますが、支払額は2番目に最も高い価格に設定されるというもの。授業でも実際に取り扱った、Yahoo!オークションもこの方式を採用しています。

この2種類のオークションの仕組みを理解したうえで、田村先生が出品者、学生が落札者となり1つの商品をファーストプライス・オークションとセカンドプライス・オークションで落札する時の金額をグループごとに考え、落札の実験を行いました。実験した結果として、どちらを用いても売り手の収益がほぼ等しいことが証明されました。