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BSc in Commerce

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商学部:チャネルの垂直統合と分離について《李教授》

商学部:チャネルの垂直統合と分離について《李教授》

本学商学部の教員、李東俊先生の論文「チャネル間競争と企業の境界」をご紹介します。李先生は仁荷大学経営学部貿易学科をご卒業後、京都大学大学院経済研究科を修了され、博士号を取得されています。三星生命とリーディング投資証券にてファンド‧マネージャとして活動後、Lee投資顧問会社を設立されました。流通チャネル管理や応用ミクロ経済学、金融商品などを研究されています。

最近、多くの企業による垂直分離の経済的行動が広い範囲で観察されています。本論文では、サプライヤーによる費用削減投資が行われる状況で、チャネル間競争における垂直統合と垂直分離の問題について検討されています。まずモデルが提示され、両生産者がサプライヤーを統合している状況や非対称の状況、分離している状況が分析されています。更に、組み立て企業がサプライヤーを統合するか分離するかの意思決定について検討され、最終的に結論と経済的含意について述べられています。

  


チャネル間競争と企業の境界
李 東俊

要  旨
 本稿では、サプライヤーによる費用削減投資が行われる状況で、チャネル間競争における垂直統合と垂直分離の問題を検討する。生産者はサプライヤー部門を分離することによって、部品価格というチャネルの運営手段を手に入れることが出来る。しかし、生産者はサプライヤー部門を分離することによって、費用削減投資をサプライヤーに委ねなければならない。本稿の結論は、各生産者はサプライヤーを分離することによって、チャネル間競争が激しくなって利潤が減少するにもかかわらず、垂直分離を選択する。垂直分離のとき、各生産者は、生産者間の競争で有利に立つために部品価格をサプライヤーの限界生産費用より低く設定する。このとき、生産者はサプライヤーに生じた損失をフランチャイズ料によって賄う。このような低い部品価格はサプライヤーによる費用削減投資を一層増やすこと出来る。その結果、最終財の価格は低下し、経済厚生(=社会余剰)は増加する。

続きはNUCB Journal of Economics and Information Science Vol.57 No.1をご覧ください。