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経営学部:多様性の次に求められるもの《伊藤教授》

経営学部:多様性の次に求められるもの《伊藤教授》

本学経営学部の教員、伊藤武彦先生の論文「コモナリティーダイバーシティの次のステージとリーダーに求められる能力ー」をご紹介します。伊藤先生は早稲田大学卒業後、国内大手シンクタンクや世界最大の人財コンサルティング会社などで実務経験を積み、英国ダラム大学ビジネススクールでMBAを取得。人的資源管理やリーダーシップを専門とし、本学大学院でも教壇に立っています。

企業経営のグルーバル化が進み、人財のダイバーシティ(多様性)も進む中で、国内企業の実情は「女性の活用」が中心で、世界の先進グローバル企業にはまだまだ及ばない。では、ダイバーシティが定着したグローバル先進企業の次の段階として何があるのか。本論文で伊藤先生はグローバル先進企業を調査し、ダイバーシティの次のステージとして「コモナリティ」の重要性を指摘しています。コモナリティの定義とは、そして、国内企業がこれから取り組むべき課題とは、などについてグローバル先進企業の事例をもとに考察されています。

   

コモナリティ ―ダイバーシティの次のステージとリーダーに求められる能力―
伊藤 武彦

1.ダイバーシティの現状と未来
 ダイバーシティについては様々な定義があり、国内外多様な定義や実践例がある。
 2000 年 8 月に発足した日経連ダイバーシティ・ワーク・ルール研究会などでは当時の焦点は人事・労働管理に向けられており、ダイバーシティは「働き方の多様性」と限定されて理解されていた(堀井,2005)。こうしたものから取り組みが広まり 10 年以上経った現在では、ダイバーシティは「ムラ社会型」の経営からの脱却の手段(冨山,2014)と経営のグローバル化に必須のアイテムとして進化し、認識されている。
 現在主流はどのようであるのだろうか。経済産業省が 2014 年 3 月に纏めた「ダイバーシティ 経営企業 100 選ベストプラクティス集 2014」にある定義をみると「ダイバーシティ経営」とは「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することでイノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義されている。
 そして、その成果は「多様な人材の能力発揮により、イノベーションの創出、生産性向上等の成果を上げていること」となっており、ダイバーシティの主な経営上のメリットはイノベーションの創出と生産性向上にあると働き方のみならず経営のあり方へと進化している。
 本研究では国内で進んでいるダイバーシティの理解と経営上の促進について、次のステップでどのようなリーダーシップ開発を行って行く事が鍵になるのかについて、欧米企業の取り組みやリバース・イノベーションの観点などを踏まえ考察する。又、どのような資質が次のステップとして求められていくのか、それについて現在世界ではどのようなアプローチが採られているかについての研究を紹介するものである。この研究に当たっては主にダイバーシティへの取り組みを行ってきたグローバル先進企業で活用されているDr. Birkman氏(2014,3没)が開発した Birkman Method を例にとって考察している。

続きはNUCB Journal of Economics and Information Science Vol.59 No.2をご覧ください。