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アクティブラーニングで学ぶ不利益事実の不告知

#アクティブラーニング #アクティブラーニング事例紹介

陳 宇先生のビジネス法の講義では私たちの生活と関わりの深い「消費者契約法」をメインに、様々な事例について学修しています。今回のケースでは不利益事実の不告知により、契約を取り消せるかどうかについてアクティブラーニングで考えました。もし自分が裁判官であったら、「金(きん)」の商品先物取引の契約をケースに対し、どのような判決を下すのでしょうか。



根拠となる理由はどこか

消費者契約法では契約の締結をする際、事業者が「重要事項やそれに関連する事項について、消費者の利益になることだけを説明しながら、不利益な事実については知っていて説明しなかった場合」は取り消すことができるとされています(不利益事実の不告知)。例えば、眺望のいいマンションを購入する際、半年後に隣の空き地に他の建築物が建設されることを業者は知っていたが故意に告げず、マンションを購入してしまった場合などは取消が認められます。
今回は証券会社の外務員から「金(きん)の価格が上昇しており、年内はこの傾向が続く」という説明を受け、金の購入をしたが、翌日急落したため3,139万円の差損金が生じたケースについて考えました。
ここで注目したのが「重要事項」とは何かというところです。これまでの講義で重要事項には
・目的となるものの質
があることを学びました。今回のケースで指す「質」とは何のことか学生たちからは様々な意見が出されました。

「金の相場を質と捉えた二審判決はおかしいんじゃないかな?」
「金に対する周りの評価が変わったから価格が下がったんだよね」
「金の成分自体が変化したわけではないから、ここで言う<質>は重要事項には当たらないと思う」

判決を下す際その根拠となる理由を的確に見抜くことは、法律ではとても大切な要素と言えます。ビジネスをする上で法律について正しく認識していなければ、自分にとって不利益になることが存在することをビジネス法の講義ではアクティブラーニングで学んでいます。また、法律にかかわらず意思決定をする際に必要な判断材料を正しく収集することの大切さも改めて気づくことのできた講義でした。