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Are institutional investors or individual investors using anomalies? Verification in the Japanese stock market

Year:2016 NO: Author:岩澤誠一郎、内山朋規

機関投資家は市場の非効率、アノマリーを活用して最終顧客に超過リターンをもたらすことが期待されている。我々は日本の株式市場を対象としてこの「洗練された機関投資家仮説」を検証するべく、CAPMまたは一般的なマルチファクターモデルに対し超過リターンをもたらすことが知られている10のファクターにつき、海外投資家、国内投資信託、国内年金信託の各機関投資家がこれらの「アノマリー」を活用して超過リターンを生み出しているかどうかを調査した。我々の検証結果は仮説に対し非整合的である。第一に、各種機関投資家の集計パフォーマンスは、CAPM及び一般的なマルチファクターモデルに対し正のアルファ値を生み出していない。第二に、機関投資家の集計リターンのうち「銘柄選択能力」の貢献による部分と各種「アノマリー」の超過リターンとの相関を調べたが、10ファクターのうち8ファクターについては正の相関が観察されない。第三に、機関投資家が各種「アノマリー」により超過リターンを生み出す銘柄群をオーバーウェイトする傾向があるかどうかを検証したが、10ファクターのうち8ファクターについては、そのような安定した傾向が見られない。一方我々は、国内個人投資家を対象として同様な検証を行ったが、結果は機関投資家に関するものと対照的である。個人投資家の「銘柄選択能力」の貢献によるリターンは、10ファクターのうち6ファクターのもたらす超過リターンと正の相関を示している。そして実際、個人投資家はこのうち5ファクターについて、「アノマリー」が正の超過リターンを生み出すと想定される銘柄群をオーバーウェイトする傾向にある。