統計学入門(3)
講義概要
1. 本学のmission statementとの関わり
本講義では,統計理論に関する学習を通して「フロンティア・スピリット」と世界的な視野,そしてビジネス界に貢献できる能力を持った先導者と起業家を育成することを目標とします.本講義では経済・経営に関する現象を統計学を用いた分析を行うことで,グローバル化における経済・経営課題に対する意思決定を人材の育成に努めます.
2. 講義の意義,背景,内容,重要性
たとえば,ある会社の2つの販売店,A店とB店の5ヶ月間の売上げデータが以下のように与えられたとします.
1月 2月 3月 4月 5月
A店 1000万円 3000万円 2000万円 2500万円 1300万円
B店 700万円 4500万円 1200万円 5000万円 1200万円
ここで,2つの店舗の売上げを比較しどちらかを閉店させるよう命じられたとき,1 皆さんならどうするでしょう.個々のデータをいくら眺めていても2つの店の優劣について何も見えてはこないでしょう.ここで求められるのは,それぞれがどのような店舗かを知ることです.そしてそれは5ヶ月分の売上げデータの「全体としての特徴」を見出すことで,初めて知ることができます.このケースのように,何らかの意志決定をする際にデータの集団を利用できる場合はよくあります.こうした状況で,いかにして全体としての特徴を「うまく」見つけ出すことができれば,意志決定に役立てることができるでしょう.統計学の中でも「記述統計」と呼ばれる分野は,データの集団から全体としての特徴を抽出する方法を研究しています.皆さんがよく知っている「平均を計算する」というのも,この記述統計の方法の一つです.
本講義の目的は,記述統計について,
どんな方法があるのか
それぞれの方法にはどのような長所・短所があるのか
なぜそのような方法が正当化されるのか
を学ぶことです.
3. カリキュラム体系での位置付け
本講義は同分野の発展的科目である「データの分析」と「標本分布と推定・検定」のための入門科目となっています.したがって,それらの科目の受講を予定している人はなるべく本講義を受講するようにしてください.
4. 育成するNUCBフロンティア力
本講義では,経済・経営の意思決定に統計学によるデータ分析手法を用いることで学習の基盤力および実践的思考力(考える力(の習得を目指します.また,演習を通してこれらの習得をサポートします.
5. 対応する学習目標
LGⅠ :統合的思考力、発展的実践力の養成
LGⅢ :情報を有効に活用する能力の養成
LGⅣ :実社会との関わりを意識した実践力の養成
学修目標の分類
- LG-1 Critical thinking for frontier spirit(批判的思考)
- LG-2 Diversity awareness(多様性の意識)
- LG-3 Business ethics and sustainability(企業倫理と持続可能性)
- LG-4 Analytical decision making skills(分析的意思決定)
- LG-5 Effective communication skills(効果的なコミュニケーション)
- LG-6 New-asian business perspective(ニューアジアでのビジネス展開力)