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商学部:業績指標の開示が与える影響は?《呉専任講師》

商学部:業績指標の開示が与える影響は?《呉専任講師》

本学商学部の教員、呉重和先生の論文「業績指標の開示が競争的市場環境に直面した経営者の行動に与える影響―Graziano and Parigi(1998)にもとづいて―」をご紹介します。呉先生は大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程を修了され、博士号(経営学)を取得されました。ご専門は管理会計・財務会計で、近年は競争的市場環境における経営者報酬契約に関する情報の開示が与える経済的影響を解明する研究をされています。

金融庁により、2010年3月期決算から上場会社は1億円を超える役員報酬の金額とその内容を開示することが義務付けられました。しかし一方で研究分野では、開示される情報は投資家のみならず競争企業にも観察・利用されることが指摘されており、また開示規制によって企業の所有者の目的に整合的でない状況が生じる可能性が指摘されています。本論文では、これまでの研究が財務情報に焦点をあてているのに対して、経営者報酬契約に用いられる業績指標の開示状況が、経営者の行動にどのような影響を与えるのかについて考察されています。

  


業績指標の開示が競争的市場環境に直面した経営者の行動に与える影響
―Graziano and Parigi(1998)にもとづいて―
呉重和

要旨

本稿では,競争企業が存在する市場環境において,経営者報酬契約に用いられる業績指標の開示状況が,経営者の行動にどのような影響を与えるのかについて考察する。特に業績指標が開示される状況については, Graziano and Parizi (1998)のモデルを用いて,解法の妥当性について評価するとともに,問題点についても検討する。主要な結果は,業績指標の開示のもと,市場競争とともに経営者の努力水準が増加する状況が存在することである。このような結果は,競争企業の業績指標を経営者の報酬契約に利用することが,業績指標にともなう不確実性を解消する効果を有すること,また,競争企業に観察できる自社の業績指標を用いて,競争企業の生産量を低下させる効果を有することに起因する。

続きはNUCB Journal of Economics and Information Science Vol.59 No.1をご覧ください。