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ケースメソッド

Case Method

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ケースメソッドとは

ケースメソッド《Case Method》とは「ハーバード白熱教室」で日本でも一躍有名になった教育手法です。正確には1921年にハーバードビジネススクールで誕生した教授法であり「ケースメソッド授業」と呼ばれ、参加者中心型の主体的な学びを実施するための教育手法として世界中で実践され、いわゆる「アクティブラーニング」を実現するための手法となります。

ケースメソッドでは実際に起こった出来事(ケース)に登場する主人公になったつもりで考え、クラスで議論します。このケースに登場する主人公は何らかの意思決定に直面しており、もし自分が当事者であったなら与えられた状況でどう行動するかを考え、グループで議論し、クラスで話し合うことになります。したがって、ケースメソッドでは何の準備もして来なければ、即座に発言することは難しくなります。しかしきちんと事前にケースを読んで予習していれば、あとは発言するだけです。知識修得だけを目標として一方的に話を聞くわけではありません。受講者間の主体的な議論およびロールプレイ等、参加者を主体とした学修体験を追求し、世界観・視野を広げることを目標とします。

ケースメソッドは以下の流れで進められます。

  1. 予習
  2. グループセッション(Small Group)
  3. クラスディスカッション(Large Group)

予習

ケーススタディでは授業開始前に教員から「ケースブック」と呼ばれる教材が配布されます。通常、ケース本文(教材)とアサインメント(課題)によって構成されており、ケースには必ず「主人公」が存在します。参加者はケースを読みながら教員が事前に設定したアサインメントに対する自分の考えを、ケース主人公の視点を通じて予習、準備することが求められます。

<アサインメント例>

  • A社の受注を受けるか?受けないか?(経営学)
  • 投資家A氏は敵かそれとも味方か?(ファイナンス)
  • A氏への事業承継に対してあなたは賛成か?(リーダーシップ)
  • 事業拡大のために買収をするか?それとも自社開発をするか?(経営戦略)

グループセッション(Small Group)

授業の冒頭20分間をグループセッションの時間として設けています。受講者同士が7〜8名のグループに分かれ、各自が予習してきたアサインメントに対する意見を交換しながら、クラスディスカッションに備えます。重要なポイントは、ケースを共通情報として参加者同士が自由に発言し「共に教えあう」場として運営することであり、「プレゼン準備時間」ではないという点です。

クラスディスカッション(Large Group)

グループセッションが終わると、教員主導によるクラスディスカッションが開始されます。教員からの問いかけに対して受講者が発言を求めて一斉に挙手する光景がNHK「白熱教室」シリーズで見られますが、発言は「教員」に対してではなく、自分の考えを「クラス全体」に主張する貴重な機会として捉えられます。そして成績もその個人の発言内容に応じて評価されていきます。

最後になりますが、ケースメソッドでは以下のルールが存在します。

  1. 正解や不正解はない
  2. 発言はクラス全体に対して
  3. 授業への貢献度が成績に反映

1+1=2とならないのがビジネスの常識。そのため先人の事例(ケース)を教材とし、自分ならその状況でどう判断し行動するか、を追体験することで経験値を高めることがケースメソッドの醍醐味といえるでしょう。したがって、ケースメソッドで学ぶ/教える者にとって重要なのは「1つの正解を求めないこと」この1点に尽きると思います。