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科研費研究の紹介〜柳蕙琳 先生〜

科研費研究による成果

名古屋商科大学では科研費を取得して研究活動を行っている教員を取材し、その研究内容を公開します。
今回は柳 蕙琳(ユ ヘリム)先生の研究を紹介します。


教員・研究者の紹介


経営学部 専任講師 柳 蕙琳(ユ ヘリム)

「国際政治史」「国際貿易論」などの科目を担当し、ケースメソッドを通して世界で起きている国際問題や貿易問題の解決策を学生と共に考えています。

  • 2018年4月:名古屋商科大学経営学部 専任講師
  • 2016年4月:京都大学大学院法学研究科 助教
  • 2016年3月:京都大学大学院法学研究科博士後期課程修了 博士(法学)

研究内容


農産物の貿易自由化に対して反対の対場を取るという点で共通している日本と韓国がなぜ自由化の水準に違いがあるのかということについて研究しています。


農産物の貿易自由化に見る日本と韓国の共通点・相違点


引用元:「TPP交渉参加に反対して開いた緊急集会(四国新聞2013年3月12日)」

農業と貿易に関して日本と韓国に共通することは2つあげられます。
1つ目は両国共に農作物の自由貿易化に反対する立場、すなわち輸入品に関税をかけることで国内の農業を保護する政策をとっているということです。2つ目は貿易自由化を進めるにあたって、韓国や日本が強みとする自動車や電化製品の関税撤廃を要求する場合にはその見返りとして農水産物の関税撤廃を受け入れなければいけない場合が多いということです。
一方で日本と韓国では2013年以降貿易自由化に対する方針に違いが見られるようになりました。
韓国は農産物の貿易自由化を回避し国内農家の反発を生まないような交渉を進めている一方で日本は過去に関税を撤廃したことのない品目も含めて関税を撤廃し農産物の輸入の門戸を大きく広げようとしています。
なぜ貿易において共通点を持つ日本と韓国にこのような違いが生まれてきたのかということを疑問に感じ、農業団体が政策決定に対してどれほどの影響力を持っているのか分析することでこの疑問を解決できるよう研究を進めています。

研究の成果が社会にどう役立つか?

日本は、2013年3月に環太平洋パートナーシップ協定(TPP:Trans-Pacific Partnership Agreement)の交渉参加を表明し、その後、米国を除く11ヵ国によるTPP11に正式に署名しました。これにより従来は海外からの輸入品に対して高い関税をかけて保護して来た農産物5品目(コメ、麦、牛肉、乳製品、サトウキビなどの甘味資源作物)の関税も撤廃されることになりましたが、海外からより安価な農産物が輸入されることに不安を抱いた農業団体の反対運動が各地で展開されました。
農業団体は貿易の自由化が進むことでそれまで受けることが出来た保護を受けれなくなってしまうという不利益を被る立場であり、こうした問題の解決策を探る意味でも農業団体の政治的影響力を分析することは必要であると考えます。


科研費とは?

大学では学生に学ぶ場を提供する「教育活動」だけではなく様々な「研究活動」が行われており、より良い社会を創っていくための手助けをしています。こうした研究活動に必要な資金を研究者に援助する仕組みの1つが科研費(科学研究費補助金)です。
科研費は誰もが自由に利用できるわけではなく厳正な審査を経て採択されることが必要になりますが、名古屋商科大学は科研費の高い採択率が強みであり、こうした援助を受けながら多くの研究が進められています。