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アクティブラーニングは学生が主役〜その16〜

国際学部の竹澤伸一教授による「アクティブラーニング」コラム第16回。竹澤先生は学生に寄り添い、授業で発言する楽しさを教え、教員として学生の貴重な学びの時間に熱意を持って向き合いながら、「学生全員が主役」になるよう教鞭を執っています。

   


名商大の「器を拡げるための私塾教育」、イメージは「松下村塾」。前回、こんな紹介をしました。これはまさに「現代社会に求められている力」なのです。「松下村塾」に集った英傑たちは、当初は尊王攘夷を唱えるものの、やがて海外に目を開いていきました。明治維新の原動力になったことは言うまでもありません。名商大は常に「海外」に目を向けています。特に「ニューアジア」。かつて日本の下請けであったアジアは、いまや基幹産業のライバルです。「授業」やゼミの「学びのミッション」の1つに、「ニューアジア」への意識と注目があります。「なでしこジャパン」も、もう少し「ニューアジア」への配慮があれば、リオに到達できたかも・・。「同性のペアで、80日間世界一周」。名商大が新たに挑戦する学生海外派遣事業です。2人で協力して数々の困難を乗り越えていく。究極の「アクティブラーニング」です。ふだんキャンパスの内外で「主役」として鍛えられているので、申し込み者数は上々。他の「海外派遣プラン」と合わせて、「海外組」が大活躍。もちろん留学生の受け入れも。


さて、今の世の中。毎日のように「いじめ報道」。「相手の顔色を読む。」いわゆる「空気を読まないと」とても生きにくい。「スクール・カースト」も今は昔。では「アクティブラーニング」も相手との「空気を読んで」おこなうのか?断じて違います。「根拠のある、譲り渡さない主体性」を築き上げるのが「アクティブラーニング」なのです。十分に予習し「根拠」を練り上げる。与えられた、あるいは自ら見出した課題に向かって議論を展開する。議論の仲間は「フラット」な関係。「忌まわしいカースト」など存在しません。小さいうちから、どんな小さな決め事に対しても「アクティブラーニング」の手法を援用すること。回りくどいようですが、小さな積み重ねが「いじめ」を防止します。

連載の始めに「アクティブラーニング5箇条」を書きました。その5、「学生同士、『いつの間にか仲良し』になってもらう。」あえて構成的グループエンカウンターについても触れました。「80日間世界一周のペア」は、一緒に課題を乗り越えることで「もっと仲良し」になるでしょう。「海外派遣」された学生は、「異国での仲良しのなり方」も学ぶでしょう。「アクティブラーニング」の教室では、「譲り渡さない主体性」は保持しながらも、「仲良く学ぶ」のです。「松下村塾」でも、そうだったはず・・。でもね、どうやっても「利害関係」は出てくるんだなあ。次回は、その調整の仕方など。