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リサーチの観点

ケース教材を予習して何回も読み込み、提示されたアサインメント(課題)に従って自分なりの回答を用意し、講義中に発表する。これがケーススタディの基本形です。そのため予習の中心は、ケース教材の本文や付随資料に関するリサーチになります。参加者全員が同じケースブックを読み込んでいるので、課題に対する回答は似通ってくる傾向があります。ケース教材に描かれている主人公の意思決定を追体験し、「自分だったらこうする。」と考え、発表し、討論することは大変エキサイティングですが、必然的に討論の幅は狭くなります。そこでもし、予習する学生個々が、アサインメントに提示されていないリサーチの観点を思いついたらどうでしょう。


つまり、このケースについては、別の観点で討論したいと提案するのです。たとえば、上司からの指示である計画を立てなければならない時に、指示のあった観点だけでなく、違う角度からもリサーチしてまとめるという具合に応じるようなものです。そのような柔軟な部下に対して、余計なことはしなくても良いと「できる上司」は叱りつけるでしょうか?ディスカッションの対象となる課題が、あまりにも拡散してしまっては、焦点がズレてしまい深まりがなくなってしまいます。しかし、ケースは極めて多様です。そのケースに挑む学生が、ケース課題以外の「リサーチの観点」を思いついたら、その主体性を褒めてあげても良いのではないでしょうか。リサーチから課題を創造していく。ここにもケーススタディの魅力があると思います。主体的な創造力は、講義への積極的な参加を促します。