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BSc in Economics

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《授業レポート》太宰北斗先生の「企業の経済学」

経済ゲームを通じて企業経営を体験する


「他店が当店より安い場合はお知らせください」。こうした広告を、家電量販店やスーパーマーケットで見たことはないでしょうか? なぜ企業はこのような広告を出すのでしょうか? また、こうした約束は私たち消費者にとって利益となっているのでしょうか? 本講義では、企業行動に関する経済学の基本的な考え方とその結びつきについて、経済実験やケースディスカッションを通じて体感的に学んでいくことを目指しています。

今回の授業では、4~5人ずつのグループを組み学生同士で価格競争ゲームを行うことで企業の値下げ合戦がどのように過熱していくのか、価格競争のなかでどのように利益を確保していけばいいのか、理解を深めていきます。まず、授業の開始とともに事前に与えられたケース資料をもとにオンライン上でのグループワークが始まり、実際の企業経営に似たシチュエーションを体感していきます。グループワークの終了後は、それぞれのグループで価格競争の結末がどのようになったか、悲惨な結末を避けるためにはどのように行動すべきであったかクラス全体でのディスカッションを通じて検討していきました。

価格競争の影響と企業側の対策


実験の結果、多くのグループでは価格競争に火が付き、お互いに原価ギリギリにまで販売価格を下げることになりました。ライバル企業が値下げを行うと顧客を確保するために自社も値下げせざるを得ず、最終的には両社ともに限界まで安売りをしなければならなくなるからです。実際に価格競争を体験することにより、なぜ企業が価格競争から抜け出せなくなるのか、受講生は背景にあるゲーム理論やナッシュ均衡と呼ばれる経済学の概念について体感的に理解を進めていきました。

クラスディスカッションでは「価格競争を避けるにはどのような対策がありえるか?」という問いのもと、学生から「(ライバル企業との)信頼関係を築くべき」「自分が出せる一番安い価格を宣言しておく」など様々な意見が集まりました。講義を通じて、競争に打ち勝つ以外にも競争を避けるという手段で企業が利益を獲得していく方法があることや、実際の家電量販店で採用されている広告の狙いについて学びました。