労働経済学
講義概要
労働政策の基礎となる労働経済学の標準的な理論について学びます。労働経済学は、経済学の視点から労働市場の機能を分析する学問です。労働市場とは、人々が仕事を探し、企業が労働者を探し、仕事が労働者に配分されるといった仕組みのことです。
このため、労働経済学は、「仕事の経済学」「働くことの経済学」とも呼ばれます。
やがて就職して働くこととなる皆さんにとって、仕事や働くことについて経済学の視点から考えることは意義深いことだと思います。
他大学をみても、経済学部を持つ大学ではほぼ例外なく開講されている経済学部の基幹的な科目です。
厳しい経済情勢の下、雇用に対する不安は強まり、賃金の低迷により生活の安定感が失われつつあるなど、働く人にとって不安の多い時代となっています。人々の働きがいを高め、暮らしの安定を図るための指針が求められています。労働経済学を学び、経済学の視点から労働市場のメカニズムを解明することが重要です。
講義では、日本の労働市場の実態を概観し、働くことの意味について考えるとともに、賃金と雇用の決まり方(労働供給と労働需要)といった基本的な分析枠組みを学びます。これらを踏まえ、失業と雇用政策、雇用の流動化、労働生産性、海外との競争、女性の雇用、若者の雇用、高齢者の雇用等について議論します。
この科目は、経済学部経済学科及び総合政策学科の専門科目(選択)に位置付けられています。
本講義は、NUCBフロンティア力の中でもとりわけ、「基盤力」「実践思考力」「主体的行動力」の育成を念頭に進められます。
・基盤力(学ぶ力)
経済学理論の学修を通じて、行動の基盤となる知識を積極的に学修する力を身につけます。
・実践的思考力(考える力)
現代社会における労働問題に対する政策について学ぶなかで、問題の発見や解決に応用して考える力を養います。
・主体的行動力(行動する力)
労働問題に関わる具体的な取り組みを学ぶことで、行動に移す力を養います。
本講義の学修目標は、LG-Ⅰ、LG-Ⅱ、LG-Ⅲ、LG-Ⅳです。
・現代社会における労働市場の実態を学び、労働に関する理論と具体的な政策について学ぶことで、LG-Ⅰ(論理的思考に基づいた統合的思考力、発展的実践力の養成)、LG-Ⅱ(コミュニケーション能力の養成)、LG-Ⅲ(情報を有効に活用する能力の養成)、LG-Ⅳ(実社会との関わりを意識した実践力の養成)を目標とします。
これらにより、本学のミッションである「フロンティア・スピリット」と世界的な視野をもってビジネス界に貢献できる能力の育成をめざします。
学修目標の分類
- LG-1 Critical thinking for frontier spirit(批判的思考)
- LG-2 Diversity awareness(多様性の意識)
- LG-3 Business ethics and sustainability(企業倫理と持続可能性)
- LG-4 Analytical decision making skills(分析的意思決定)
- LG-5 Effective communication skills(効果的なコミュニケーション)
- LG-6 New-asian business perspective(ニューアジアでのビジネス展開力)