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業界No.1のトレーニングプログラムとは?

#アクティブラーニング #アクティブラーニング事例紹介

竹澤伸一先生による「ロジカルシンキング」の講義では、小型モーターに特化したマブチモーター株式会社のケースを用い、いかにして世界的なシェアを獲得し、業界一の電気機器の王手へ上り詰めたのかをアクティブラーニングを通じて考えました。



消費者のニーズに沿った経営スタイル


私たちの生活圏内では、目に見えないだけで、非常に多くの小型モーターが使用されています。それは時計であったり、ゲームや携帯電話、パソコンや自動車など多岐に渡ります。新しい市場が成功していくにつれ、小型モーターの需要は伸びていきました。着実に海外に生産工場を設立していったマブチモーターは、その需要をカバーしながらシェアを拡大し、業界一となる成長を遂げました。早々に海外での生産能力を発展させたことが、マブチモーターの成功の鍵となったのでしょう。


トレーニングプログラムNIHAOの実施


マブチモーターでは、経営管理のヒエラルキーの概念の強化および全従業員の正規の業績評価の確率のため、「NIHAO」というトレーニングプログラムが開発されました。全管理者には、定期的に部下を評価するよう求められ業績評価によりが降格やボーナスアップにつながりました。
講義内では「あなたがマブチモーターの経営者なら、NIHAOプログラムを、これからも継続しますか?」という問いに対し、学生が様々に論じました。
「NIHAOプログラムが中国にて一度失敗したから、一度踏みとどまってプログラムを行う国の文化や人柄を調査する必要がある」「人が評価することにより、好き嫌いや目の届かないところで評価にばらつきがでてしまう恐れがある」
このような意見が出たほか、「NIHAOは成果主義なので、プロセスも評価した方が社員のモチベーションが上がって良い」という学生の声が上がり、この一声で講義は新たな展開を見せました。そもそもNIHAOプログラムに賛成か反対か?というテーマで、学生間でのディスカッションが盛り上がりました。賛成派からは「成果を上げた人は報酬をあげるべき」「ビジネスでは数字がモノを言う。企業は業績主義」といった声が、反対派からは「NIHAOでは見えないプロセスがも評価すべきなので反対」「努力している人のモチベーションを下げてしまうので反対」と、真っ向から対立しました。
これを踏まえ、従業員の満足度を下げず、さらにNIHAOの人材評価プログラムを最大限に活かすための解決策を考えました。


学生による講義

アクティブラーニングは学生が主役となり、それぞれの意見を交わすことで広がりを持つ学習手法です。そのため、この日の講義でも学生が課題を持ちかけ、マブチモーターの経営について理解を深めました。
NIHAOプログラムについては、「マブチの生産工場を新興国ではなく途上国に置くことは可能か?」また、一切の広告を行わないマブチに対し、「あなたが経営者なら、マブチの知名度を上げるために広告を利用しますか?」
このように都心型コースの講義室は、学生が学ぶ過程で疑問に思ったことを自由に発言できる場所です。ケースの主人公となって課題について考察することで、新たな疑問や解決策が思い浮かびます。アクティブラーニングでは互いに意見し合うことで、新しい発見を得ることができます。