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BBA × ミッキーマウス《情報倫理》

#BBA #ケースメソッド #著作権 #情報倫理 #ミッキーマウス

名古屋キャンパスで行われる情報倫理の授業は、ビジネスリーダーの育成における基盤である倫理的な考え方の中でも情報通信技術に特化して学修していきます。

情報社会で正しく生きていくために

山本裕子准教授の「情報倫理」の授業では、​​情報化が進む現代社会において、圧倒的情報量に飲み込まれることなく、情報をより正しく使いこなすための判断力を養うことを目的としています。そのためにはまず、コンピューターやネットワークに関する基本的な技術に関する理解やこれまでのコンピュータの歴史などに理解を深める必要があります。その上で、近年に生じた事例をもとにしたケースを使って学びを深めます。

ミッキーマウスは誰のもの?


山本准教授の授業の様子

第2回目の授業では、ウォルト・ディズニーとアブ・アイワークスが生み出した「ミッキーマウス」を題材としたケースを用いて、著作権とは何か、著作権の本来の目的は何か、著作権を法人が保有してビジネスとしている現状の功罪などについて学びを深めていきました。自社・他社を含む多様なステークホルダーの視点からも考え、ミッキーマウスが登場する「蒸気船ウィリー」の著作権保護期間を延長することは妥当かどうかについて議論を進めました。「蒸気船ウィリー」の著作権が2003年に切れる予定であったところ、米国の連邦最高裁が米国著作権延長法を合憲と判決を下し、保護期間を従来の75年から95年に20年延長しました。これに対してインターネット出版を手がける会社や大学教授などが、延長法が憲法違反であるとして運用停止を求める裁判を起こしましたが、合憲と判断されました。

著作権について考える

ディズニーブランドの代表であるミッキーマウスの著作権を法人が保有し、ビジネスを行う現状についてどのような功罪があるのか、またそもそもどのように「著作権」という考え方が生まれたのかなど、学生が様々な意見を交錯させていました。授業内で出た意見として、著作権保護期間延長の容認派は「自社の立場だと、他社に汚されないために、著作物を守る必要がある」「著作権法は著作者の努力を無駄にしないために存在する」などの意見が挙がりました。また反対派は、「ミッキーという主要な存在に頼りすぎると自社の内外のイノベーションが生まれず、いざ無くしてしまった時は自社の収益源が絶たれてしまう危険性がある」「市場の独占は場合によっては、価格や価値の操作ができるため消費者にとって不利な状況に陥りかねない」などの意見が挙がりました。今回の授業を通し「著作権」とは何か、著作権の保護期間の延長は立場や状況に応じること、創造とイノベーションのバランスの重要性を学修し、今後ますます進展する情報社会で生きていく上でふさわしい著作権のあり方について倫理観を高めることができました。