売上が向上するほど肥満者が減る?
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本日の講義「ロジカルシンキング2」では、学生がアメリカの飲料メーカー「ペプシコ」のCEOの立場で ペプシコが抱える経営課題について考え、クラス全体でアクティブラーニングで考えました。 20世紀に入り、肥満...
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Case Method
矢部謙太郎先生による「社会学」の講義は、アクティブラーニングで消費社会と呼ばれる今日の社会を知るにあたり、私たちが日々モノを使用価値でなく記号価値によって消費をしていることを理解しました。例えば、有名ブランドの鞄を持つということは、「物を入れて運ぶ」という鞄の機能性を重視した使用価値ではなく、「高価なものを持っている自分」という自己表現をするために記号価値で鞄を選んだということになります。
「商店街の婦人服店で長年売れなかった服(通称:ヤバ服)を、ファッションモデルがコーディネートし、原宿のファッションビルに置いたら売れるのか」とういう実験をした動画を視聴しました。長年誰にも購入されなかったこのヤバ服は、派手な柄で、現在の流行に乗っているデザインでもありません。
実験結果としては店頭に置いて1日も経たないうちに、若い女性が購入しました。購入した女性はその服が「かわいい」と思って購入したとのこと。同じ服であるのになぜすぐ売れたのでしょうか?
学生たちからは「おしゃれにコーディネートされて、店の目立つところに置かれていたから」「他のかわいい洋服たちの中にあることによって、ヤバ服もかわいく見えたから」といった意見が出されました。商店街の婦人服店で販売されていた時のヤバ服は、他の服の中に埋もれるように陳列されていました。これは、服の価値基準を商店街の婦人服店の店主(中年男性)は「色落ちしない」「洗濯しても縮まない」といった「機能性」で服を見ていたことに対し、コーディネートしたファッションモデルや購入した女性は「かわいさ」「季節感」といった「見た目」にこだわってたという違いに基づきます。そこで、ヤバ服に原宿のファッションビルで「かわいい」という価値基準が付与され、「かわいい」という価値基準によって自己表現をしたい女性に購入されたのです。
この価値基準がどういったものかを理解することは、社会のニーズを読む上で必須になります。消費社会を学ぶことは商品を開発する際や売り出す際にも関わりがあることを、アクティブラーニングを通じ主体的に学び、理解できた講義でした。