株式会社日本経営 冠講座《マーケティング入門》
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小野裕二教授の「マーケティング入門」の授業は、名古屋商科大学と株式会社日本経営との産学連携の一環として、株式会社日本経営からの寄付金を財源に、マーケティングの最前線で活躍する人材をゲストスピーカー...
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Case Method
矢部謙太郎先生の社会学では、現代社会の記号価値の消費についてアクティブラーニングで学修しました。
記号価値とは、商品をモノの機能や効能を求めて購入する使用価値と違い、自己表現のための記号です。例えば洋服の使用価値は機能性、記号価値はデザインが挙げられます。記号価値の消費は他者とのコミュニケーションのひとつのあり方ですが、現代の人間関係の構築にどのような影響を与えているのでしょうか。
ケースの主人公は服選びに煩わしさを感じている20歳の女子大学生。高校時代は制服を着ていましたが、大学生になり、毎日のコーディネートに頭を悩ませています。ボーイッシュ系の服装を好んでおり、高校時代も今も「スニーカー」を愛用していますが、スニーカーの持つ意味は異なっているのでしょうか。
「高校生なら動きやすいという使用価値でスニーカーを使用していたと思う」
「今は周りの目も気にしてスニーカーを選んでいるから、記号価値に変わったのではないか」
先生から記号価値には他にどんな例が挙げられるか問われると、ブランドの財布や時計を使用するといった意見だけでなく、
「マスクを風邪をひいた時や予防のためではなく、小顔に見せるために着用している人がいる」
「空腹を満たすことを目的とした食事ではなく、インスタ映えする食べ物を選ぶことも記号価値に当たるのでは?」
といった、近年の社会現象に着目した意見も出されました。普段何気なく選んでいる服装だけでなく、様々な場面において記号価値でモノを選び、消費していることに気づき、それらが現代の人間関係の構築につながっていることをアクティブラーニングで理解することができました。