アクティブラーニングで学ぶ心の行動や意識の尺度
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椿田 貴史先生による心理学の授業では、ビジネスや教育、医療の現場において最も“使える”心理学を、アクティブラーニングで学びます。 この授業では、自分の悩みや改善したい習慣などに注目し、「自己介入調査」...
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Case Method
納村信之先生の1年次向けに開講されているビジネス行動観察の授業では、人々がどういった考え方で商品やサービスに接しているのか、観察・分析をします。そして、分析から分かったことを、新たなマーケティングに活かす方法をアクティブラーニングで模索していきます。
今回は、名古屋キャンパスから徒歩圏内にある大須商店街へ行き、人々の購買活動を観察します。そして、見つけた事実から仮説を立て、集めた情報をKJ法を用いて分析します。
キャンパスを出て、ビジネスの課題を見つける学修手法「フィールドワーク」を実施するのは、1年生にとって初めてのこと。新たな試みに挑戦です。
KJ法とは?
内容や質が異なる情報をまとめ、全体把握をする際によく使われ手法の一つ。蓄積された情報から必要なものを取り出し、関連するものをつなぎ合わせて整理し、統合することができる。
大須商店街でのフィールドワークは下記の手順で進めました。
(1)大須商店街へ行き、購買活動を観察
(2)観察したシーンを抽出(写真・イラスト)
(3)状況を事実として叙述
(4)発見した事実を分析して仮説を叙述
商店街に到着すると早速、人々がどのような様子で買い物をしているかや、休憩しているかを観察しました。学生たちは何枚も写真を撮り、その行動を起こしたキッカケや心理を推察します。物を購入する際に何気なく行っている行動に、どんな心理が隠されているのか。紐解きながらフィールドワークをしていきます。
フィールドワークを終え、まず学生たちが取り掛かったのは写真に収めた内容を言葉にすること、つまり「言語化」です。
家族や友人同士の会話であれば、会話の流れや雰囲気で、「こんな内容を伝えたいのだな」と相手が察してくれることが多くあります。しかし、ビジネスでは相手に正確に伝えたいことを伝えなければならず、「言語化」は重要なことと言えます。学生たちはアウトプットすることで、「言語化」の難しさを体感しました。
次に、得た情報をKJ法で整理し、まとめた各情報に繋がりはあるのか「構造化」をしていきます。
先生からは
「中身をもっと掘り下げてごらん」「ここの関連性はどうなっているの?」「言葉は適切?」
と、より良い分析になるようなアドバイスがありました。
最後はグループで分析した内容をプレゼンテーションし、全体で共有します。
「今の発表で意味がきちんと伝わっているかな?」
先生から学生に問いかけられます。
ここでもやはり「言語化」と「構造化」が上手くいっていないと、他のグループに内容が正確に伝わらないことを体感します。
高校までに主にやってきた座学と違う、アクティブラーニングでの授業。大学生になって1ヶ月経ち、アクティブラーニングで学ぶ面白さだけでなく、徐々に大変さも感じています。しかし、「これからの社会で求められる力を身につけたい」という思いや、在学生の先輩の様子を見て「こんな姿になりたい」という思いが学修意欲に繋がっています。
ビジネスに必要なスキルを、大学生のうちに身につけることは難しいことかもしれません。授業では苦悩しながらも互いに切磋琢磨しながら、成長しようとする姿が随所で見られました。