株式会社日本経営 冠講座《マーケティング入門》
- 教員 & 研究
- 授業レポート
小野裕二教授の「マーケティング入門」の授業は、名古屋商科大学と株式会社日本経営との産学連携の一環として、株式会社日本経営からの寄付金を財源に、マーケティングの最前線で活躍する人材をゲストスピーカー...
READ MORE
Case Method
関根 豪政 先生による地球環境論では、ある組織が環境問題に直面したときに、それを具体的に解決していくための能力をアクティブラーニングで学びました。
学生たちは7週間かけて主に地球温暖化問題を扱い、最終的には実存の組織(企業や地方自治体)における温暖化対策の問題点を見つけ出し、それに対して具体的な提案ができるような実践的な能力の習熟を目指しました。
授業の最終週では、「成田市役所の温暖化対策」の事例を取り上げ分析を行いました。成田市は実施できる温暖化対策を細部にまでわたって提示し実施している。その温暖化対策が良いか悪いか(不十分か)、自身の見解をクラス内で討議しました。
●成田市の取り組みが良いとする学生からは、
「個人の買い物は小さいが、国や企業は何百、何千と購入するので購入数が多い。成田市も大量購入する際に環境への負荷ができるだけ少ないものを選んで購入する"グリーン購入"を導入するのことは環境保全に繋がる」
「ノー残業デーを導入することで、働く人にとってもエコだし電力消費も減る」
「屋上や敷地内の緑化とその維持管理の推進は長期的な視点で良い(短期的な取り組みだけでない)」
●反対意見である、成田市の取り組みが不十分だと思う学生からは、
「やるべきことが多すぎる、細かすぎて何が重要なのかわからなくなる。やらなくてはいけない項目が多いとサボりたくなる」
「環境にいいことをするために事務作業が増えることで、電力なども消費するのでグリーン購入をしてもプラスマイナスゼロとなる」
「カーテンやブラインドを利用し空調効率を高めているとあるが、照明も晴天時には業務に支障のない範囲で窓際を消灯することなどの取り組みもあり、矛盾がある」
加えて、「やるべきことが細かすぎるに反論で、細かいことで目標がたてやすい」といった反対意見や補足意見も出てきて、大いに盛り上がるクラスディスカッションでした。
そして、その議論を踏まえて、各組織において具体的にどのような対策をこれから採用していくことが可能か、提言書を作成しました。この提案書は、単なる「理想的な温暖化対策」を描くのではなく、実際にその組織が採用したら効果がありそうな具体的な対策を提案することを目指しました。これにより、より実践的に温暖化対策を提案する能力を養うことができます。
関根先生からは、「就職するときに環境に優しい会社かも見て欲しい」「それは人にも優しい会社である」と将来へのアドバイスもありました。