株式会社日本経営 冠講座《マーケティング入門》
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小野裕二教授の「マーケティング入門」の授業は、名古屋商科大学と株式会社日本経営との産学連携の一環として、株式会社日本経営からの寄付金を財源に、マーケティングの最前線で活躍する人材をゲストスピーカー...
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Case Method
小林 武 先生による金融政策の授業では、変化の著しい金融政策を理解するために、まずはその前提条件である金融システム、金融機関の役割、金融市場をアクティブラーニングで学びました。金融政策が私たちの実際の生活にどのように影響を与えるのかを議論を通じて理解を深めていきます。
最近の株価、金利、外国為替など金融市場動向は、政府が主導する相場である「官製相場」と言われるように、日本および世界の金融政策が与える影響は大きくなっています。一方、ゼロ金利、量的金融緩和、アベノミクスなど、金融政策をめぐる問題は複雑化し、その政策の良し悪しを巡る意見はややこしく、全体像を正確に把握することが困難といえます。
また、リーマン・ショック以降、国際金融システムの不安定性が実体経済へ甚大な影響を及ぼしており、様々な金融機関の監督・規制が議論されていますが、どのような規制や監督制度が最適であるのかは各国の中央銀行や金融監督当局は答えを見いだせないままです。
そんな状況下で、金融について理解を深めることはとても大切です。授業では、時事問題や実際の金融機関の業務などを随所に取り入れ学修していきました。
・リーマン・ショックとは
2008年9月15日にアメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングス(Lehman Brothers Holdings Inc.)が経営破綻したことで、世界規模の金融危機が発生した事象。
金融システム・お金の中継所としての金融機関の役割を理解するため、「金融を仲介するにはどのような方法があると考えますか?」「お金を貸し借りすることのメリット・デメリットは何でしょうか?」といった、金融が私たちの実際の生活にどのように関係するかについて議論しました。合わせて、企業の財務データの演習を通じて企業がどのように資金を調達しているかをケースを通じて学修し、お金の中継所としての金融機関の役割を理解しました。
銀行は一般の企業と異なる独自の機能を持っています。今回は資産変換機能、情報生産機能についてケースとグループワークを通じて学習するために、経済における銀行の役割をロールプレイで体験するゲームを行い、銀行の機能について理解を深めました。
その他にも金利の決定方法や、株式市場・外国為替市場についても学修しました。株価と経済指標を使って株価の変動要因について理解し、「円高・円安」について貿易ゲームを通じて、外国為替はなぜ動くのかについても理解を深めました。学生はこのゲームで楽しみながら、より深く円高・円安について理解することができたようです。
・資産変換機能とは
本源的証券を間接証券に変換して、大量の資金の調達と融通を行うことをいいます。
・情報生産機能とは
金融機関がお金の借り手の情報を収集して、借り手の信用度を審査したり、返済が履行されるか監視していくことをいいます。
これまで金融について知識が少なかった学生たちも、ケースを通じて考えることで金融政策を意識する機会が増えたようです。
「金融について無知でしたがこの授業を通して、理解することが出来、ニュースや新聞を見るのが楽しくなった。」「今までなんとなくしか知らなかったバブル経済や政治と金融の結びつきを知ることができた。」「利子、利息についてよくわからなかったのですが、知れてよかったです!」といった声もありました。
金融政策は学ぶほど多くの問題がありとても難しい内容だと理解ができたと同時に、金融について知ることは自分の生活において大切なことだと、アクティブラーニングで体感することができました。