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“世界で無名のJPOPアーティストが、世界で人気を得るためのデジタルマーケティング戦略を立案せよ!”【前編】

山岡隆志教授による講義「デジタルマーケティング」


山岡隆志教授が担当するこの講義では、デジタル特有の考え方を抑えつつ、オンラインとオフラインを統合的に考えることができるマーケターが持つべき実践的なスキルをアクティブラーニングにより習得します。

今回は、日本ロレアルでCDO(Chief Digital Officer)、Facebook でInstagram日本事業代表責任者などを歴任し、現在ではEXILEなど人気アーティストグループが所属するLDH JAPANのCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)兼 執行役員を務められている長瀬次英氏より課題が出され、デジタルマーケティングの木曜講義と金曜講義の各受講生がチームごとに企画を提案し合いました。


長瀬氏より講評をいただけるということで、発表する学生の肩にも力が入り緊張が伝わってきます。発表に与えられた時間は5分。この5分間の中でプレゼンターは現状分析、戦略の狙い、マーケティング戦略、具体的なデジタルマーケティング施策、それらによる効果を発表しなければなりません。



学生の目線で市場を分析し、ソーシャルメディアの特性を生かして情報を拡散するなど、受講生より様々な企画が提案され、これに対し、後日長瀬氏からの講評とともに上位チーム4組が発表されました。この発表の当日は、長瀬氏と中継を結び、直接長瀬氏から受講生へドキドキの結果発表と講評が伝えられました。

その結果は、1位金曜講義Cチーム、2位木曜講義Dチーム、3位木曜講義Eチーム、4位金曜講義Eチームでした。事前に受講生も審査員となって、同僚の審査をしていましたが、なんと長瀬氏が選んだ1位のCチームには一票も入っていませんでした。プロと素人の評価のギャップが学びとなる有意義な結果となりました。

各チームに対する長瀬氏の講評は次の通りです。


1位:金曜講義Cチーム

  • 海外アーティスト、特にKPOPという競合をチェックするチームが少ない中、KPOPを考慮に入れ、TWICEを具体例に挙げて考察を進めていたのが良かった。
  • プラットフォームやサービス、中でもYouTubeをよく理解していた。
  • YouTubeが流行っているからという理由ではなく、費用を最低限に抑えたことも良かった。基本的に企業はお金を使いたがらないのが当たり前なので、いかにコストを使わずに任務を遂行するかに着目していたのがクリエイティビティだった。広告費を使わずに世の中にムーヴメントを起こそうとしているところがポイントが高い。

1位の金曜講義Cチーム


2位:木曜講義Dチーム

  • 海外に目を向ける前に、訪日外国人が増加傾向にある点に注目し、インバウンドに目を向けたことが良かった。
  • 外国人旅行者には体験系(コト消費)が人気がある点を掲げ、JPOPアーティストのイベントを外国人向け日本旅行プランに組み込み直接体験してもらうことは効果的な方法かつ認知度上昇に繋げられる。
  • エンタテイメント性を活かし体で体験して実際に見る機会を設けることで、個人情報取得も可能になるポイントは高い。

2位の木曜講義Dチーム


3位:木曜講義Eチーム

  • コンテンツのあり方に目を向けたことが良かった。
  • 他チームには見られなかった、プレゼンターがYouTubeで音楽を聴いているという自身の体験談を例に挙げて話ているところが良かった。(事実を話すことが大事で、数字的な方がなお説得力が増す。)
  • 他アーティストの楽曲をカバーする、ハック戦略でグロースするという方法など、現在あるものを利用して認知度を上げるという考え方もポイントが高かった。

3位の木曜講義Eチーム


4位:金曜講義Eチーム

  • JPOPに触れる機会が少ないところへ、日本のライブやライブビューイングでJPOPの良さをテクノロジーを使って接点を増やしていくという点は良かった。触れる機会が増えれば、認知度も、好感度も、レレバンシーもエンゲージメントも上がるという考え方はとても強い戦略の一つなので、音楽を体験して良さを分かってもらう本質を理解していると感じた。
  • Spotifyで毎週更新される最新ランキングの動きに合わせ、戦略を変えていくというタイムリーなデータを考慮した点も良かった。

4位の金曜講義Eチーム


発表の場で上位に入れたチームもそうでなかったチームも、日本初のCDOである長瀬氏から貴重なアドバイスを直接いただけ、新たな学びを得たことで、プロのマーケターとなるための道のりの長さを感じとった時間となったのではないでしょうか。

結果発表終了後も、受講生たちのプレゼンテーションに欠けていたもの、マーケターとして必要なものについて、長瀬氏の熱いアドバイスは続きます。



長瀬次英

LDH JAPAN 執行役員・CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)。
インスタグラム日本事業責任者、日本ロレアルのCDOを経て、現在は株式会社LDH JAPANにてチーフ・デジタル・オフィサー兼執行役員を担い、組織全体と事業全体 (音楽、ライブ/ステージ、映画/動画、アパレル/ファッション、飲食、GYM/スポーツ運営、教育/学校など) LDHが抱えるビジネス全体のデジタルアクセレレーションを推進している。史上初2年連続アド・テック東京(2017&18)で#1スピーカーを受賞、2018年1月に「Japan CDO of The Year 2017」を受賞。Forbes・Japan(2017年12月号)にて「カリスマCxO」の一人として特集される。

山岡隆志教授の「デジタルマーケティング」講義取材記事は【後編】(近日公開予定)へと続きます