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“世界で無名のJPOPアーティストが、世界で人気を得るためのデジタルマーケティング戦略を立案せよ!”【後編】

山岡隆志教授による講義「デジタルマーケティング」

山岡隆志教授が担当するこの講義では、デジタル特有の考え方を抑えつつ、オンラインとオフラインを統合的に考えることができるマーケターが持つべき実践的なスキルをアクティブラーニングにより習得します。

今回は、日本ロレアルでCDO(Chief Digital Officer)、Facebook でInstagram日本事業代表責任者などを歴任し、現在ではEXILEなど人気アーティストグループが所属するLDH JAPANのCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)兼 執行役員を務められている長瀬次英氏より課題が出されました。デジタルマーケティングの木曜講義と金曜講義の各受講生がチームごとに企画を提案し、長瀬氏からの審査結果発表をいただいた後、マーケターとして必要なものについて、アドバイスをいただくことができました。



受講生たちのプレゼンテーションを見た長瀬氏は、ビジネスの現場でしてはいけないプレゼンテーションを、実は受講生がしていたのだと話します。
「受講生の皆さんのプレゼンテーションを見て、はっきり言って、この中にマーケターは一人もいないと感じました。全員、マーケターとしての合格ラインとしては程遠いですね。」
受講生全員がマーケットの話をしていないことが理由だと長瀬氏は続けます。
プレゼンテーションをするときはマーケットのサイズ、つまり自分なりの市場感を話さなければならないところ、今回の受講生のプレゼンテーションには数字が全く無く、誰一人として市場サイズを話していませんでした。それゆえにバックボーンが無く、全ての内容が薄っぺらく信用度が低いと感じられる内容だったそうです。

市場の捉え方次第ではビジネスの実現が遠ざかってしまう、と長瀬氏は市場分析の重要性を説明します。
「ピコ太郎を例に挙げていたチームがありましたが、ピコ太郎のチャンネル登録者数は60万人弱、これは到底ヒットしたとは言えません。」(※例えば韓国の人気グループBLAKPINKのチャンネル登録者数は2500万人)受講生全員が小さな市場で話しすぎている、と長瀬氏は注意を促しました。

市場が小さいと「ビジネスをやめよう」という結果に繋がってしまうのだと残念そうに長瀬氏は言います。まずはもっと世界を調査し、多くを知ってもらい、自分の言葉で市場を語れるようになることが先決である、と続けます。現在の市場で最も人気な人は誰なのか、人気がある人はどうやって人気を得たのかを調べ、そのやり方を真似してでも良いから戦略を考えるのがマーケターの第一歩となるのだそう。市場規模を見つけてから初めて話ができる、そこからやっとマーケターとしてのスタートが切れる、マーケターとしてのディスカッションが始められるのだ、と力強くアドバイスします。



「今後は課題が出た時は、その業界、そのトピック、その課題の、市場規模の最も大きなところを確認し、そこから最も流行っているサクセスフルな人たちを見つけ出し、その人たちがどうやってそこにのし上がったのかを研究し、自分たちの立場に置き換えて考えた時にどんな戦略が思い浮かぶのか、しかもそれが後発組なのであればどうやってスピードを上げられるかを考えてみると、実はデジタルの得意分野が浮き彫りになってきます。」と話す長瀬氏の熱い言葉に、受講生も納得した表情で、一生懸命ノートを取りながら聞き入っていました。

今回の長瀬氏のアドバイスは、マーケターを夢見つつも悩める受講生たちの背中を力強く前へと押し出してくれたことでしょう。将来、今回の受講生の中から長瀬氏と肩を並べて語り合えるマーケターが、誕生する日も来るかもしれません。



長瀬次英

LDH JAPAN 執行役員・CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)。
インスタグラム日本事業責任者、日本ロレアルのCDOを経て、現在は株式会社LDH JAPANにてチーフ・デジタル・オフィサー兼執行役員を担い、組織全体と事業全体 (音楽、ライブ/ステージ、映画/動画、アパレル/ファッション、飲食、GYM/スポーツ運営、教育/学校など) LDHが抱えるビジネス全体のデジタルアクセレレーションを推進している。史上初2年連続アド・テック東京(2017&18)で#1スピーカーを受賞、2018年1月に「Japan CDO of The Year 2017」を受賞。Forbes・Japan(2017年12月号)にて「カリスマCxO」の一人として特集される。