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国際学部:悩みを抱える人とカウンセリング《椿田教授》

コミュニケーション学部:悩みを抱える人とカウンセリング《椿田教授》

本学国際学部の教員、椿田貴史先生の論文「カウンセリングと来談者の主体性─精神分析的考察」をご紹介します。椿田先生は、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程を修了され、博士号(人間・環境学)を取得されました。臨床心理士として、臨床心理学や精神分析を専門に研究されています。

自己の存在を深く問い直す青年期における悩みは、「空気を読めない」などといった述語的な次元に属しています。述語的水準の存在論的な差異に悩む人々が悩みを語るためには、まず彼らが個別性の原理を、カウンセリングに来談する主体として、カウンセラーと対峙することによって実現しなければなりませんが、このような個別化の運動こそ彼らが最も苦手とするところなのです。先生はここにこそ精神分析の実践的な強みがあると考え、本論文で来談者の主体性に関して、フロイトに始まる精神分析の見地から考察しておられます。

  


カウンセリングと来談者の主体性-精神分析的考察

椿田貴史

はじめに~木村敏の自己論を手がかりに

 本稿では、カウンセリングに来談する人の主体性に関して、フロイトに始まる精神分析の見地から検討を加えるが、その前に、木村敏の「自己」論を手がかりにして主体概念の存在論的な基礎について確認しておきたい。
 木村はその著『自己・あいだ・時間』において、自分という現象は「おのずから」という自他未分の匿名性のもとにある、根源的な自発性の流れから、身体を基礎とした個別性へと"自"を分有することで「自分ということ」が成立するとした。前者は、古来の哲学者や自然学者によって様々に仮定され前提とされてきた、対象化される以前の自然そのものとでも呼ぶべき事実である。

続きはNUCB Journal of Economics and Information Science Vol.55 No.2をご覧ください。