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アクティブラーニングで考える本音と建前

#アクティブラーニング #アクティブラーニング事例紹介

矢部謙太郎先生による「社会学」の第一回目の講義は「かげぐち」についてアクティブラーニングで考察しました。日本人特有とも言われますが、私たちは普段、本音と建前を使い分けて生活を送っています。相手のことを傷つけまいとして思いやりの言葉をかける反面、本人のいないところでは本音(=かげぐち)を第三者に話すという行為をしてしまうのは何故なのか。概念や理論について学びながら、アクティブラーニングを通して理解を深めます。


本音しか言わない世界は幸せか


学生に、ある映画を数分間視聴してもらいました。映画のストーリーの舞台は、嘘を知らない世界。嘘という概念がないので、登場人物は思ったことを全てそのまま話してしまいます。学生が見たのは、主人公の男性が、好意をよせている女性とレストランに食事に行くシーンです。思っていることをなんでも率直に話してしまう世界なので、女性は主人公の見た目がタイプでなく、収入が低そうということや、自分は美人で稼ぎのある恵まれた人間だということを包み隠さず話します。主人公はそんな女性の言葉を受けて、ショックな気持ちや、自分の容姿に自信がないことをこれまた率直に口に出しています。
このシーンを見て、男性の気持ち、女性の気持ちを学生はそれぞれの立場から発言し、本音で話すこと、陰口を言うことのメリット、デメリットについて考察しました。

思いやりのために、かげぐちは必要

次に思いやりを安定的に示すために、「かげぐち」は必要悪であるという「思いやりとかげぐち」理論を、グループに分かれて事例を挙げて説明するグループワークを行いました。
学生は、自分自身の体験や架空の設定で、「思いやりとかげぐち」理論が適用できる状況を考えました。学校やバイト先でのやり取りなど、様々なシチュエーションで理論が当てはまることはないか、グループの一人ひとりが発言していきます。
アクティブラーニングでは、ケース(事例)を元に授業が進行していきます。ケースは登場人物や背景が具体的に示されており、学生はストーリーをイメージをしやすくなっています。今回の講義ではケースから抽象的な理論を学び、理論を理解した上で具体的な事例を学生自身が考えました。
スポーツのように勉強も理論を理解していれば実践できるというものではありません。何回でも反復し、自分の頭で考え、応用できるようになって初めて修得したといえるのです。
都心型コースの学生は、講義の中で論理的思考やコミュニケーション能力、課題発見力など様々な力をアクティブラーニングで鍛えています。