株式会社日本経営 冠講座《マーケティング入門》
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小野裕二教授の「マーケティング入門」の授業は、名古屋商科大学と株式会社日本経営との産学連携の一環として、株式会社日本経営からの寄付金を財源に、マーケティングの最前線で活躍する人材をゲストスピーカー...
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Case Method
矢部謙太郎先生の社会学では、良かれと思って相手に働きかければかけるほど、相手がますますこちらの望むように動いてくれず悪循環となる「ダブルバインド的状況」が、私たちの他者との関係を取り結ぶ際に、いかにして発生するかをアクティブラーニングで理解しました。
今回のケースの主人公は同棲している恋人との関係性に悩んでいる男子大学生の本郷くん。彼女である原さんの「家事をやる」と言ってやらない点や、「不機嫌ではない」と言ったのに不機嫌であるところに不満を持っています。なぜこのような関係性になってしまっているのでしょうか。
日常生活で人間関係に悩むことは誰しも経験があるのではないでしょうか。今回のケースでは恋人との関係がテーマとなっていますが、私たちは家族や友人のように親しい間柄でも、時としてその関係性に頭を悩ませています。
ケースでは本郷くんは原さんの「家事をやる」と言ってやらないなどの行動を、
「いい女のふりをしている」、「わがまま」、「めんどうくさい」
と理解しています。
では原さんは本郷くんの行動をどのように理解してるでしょうか。
学生たちからは
「常にイライラしている」、「言いたいことを我慢している」
と言った意見が発表されました。
互いの理解が互いの行動に影響を与え、悪循環に陥っていたことを知ると、
「『嫌だなと思う相手』の行動は自分が引き金となっていることもあるから、今後いろいろな人と関わる中で気をつけなくてはならないと感じた」
と言った感想がありました。
続いて、学生たちはケースで理解した内容を「自分に無関心な父との関係性」や「思ったことを言いたい友人との関係性」について当てはめ、さらに理解を深めました。
人間関係の悩みは尽きることがなく、仕事上でストレスと感じる原因の上位には「職場での人間関係」が含まれています。今後社会に出て行くと、仲の良い人たちとだけ関わっていくのではなく、様々な人と上手く関係を築いていくスキルも必要です。7週間の講義を通じて現代の価値観を作った近代社会を一歩引いた目線で見ることで、気持ちに余裕を持つ大切さを学んだ、社会学の講義でした。