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困っている人に会計と英語のスキルを生かしたい – 国連世界食糧計画に勤務する卒業生の新谷雅之さんにお話を伺いしました。(前編)

卒業生の新谷雅之さんは、2020年にノーベル平和賞を受賞した国連世界食糧計画で、ファイナンス・オフィサーとして活躍されています。どういった経緯で国連世界食糧計画で働くことになったのか、卒業生として現在の名古屋商科大学(以下、名商大)をどのように見ているのか、栗本学長と語り合っていただきました。


新谷雅之氏

新谷雅之氏

どういった経緯で国連世界食糧計画で働くことになったのですか?

新谷雅之氏(以下、新谷):名商大を2003年に卒業し、竹中工務店に就職しました。竹中工務店では経理部に配属され、3年半ほど勤務しました。その後ニュージーランドに移住することになり、ニュージーランドのヴィクトリア大学ウェリントンにて会計学の修士号を取得しました。
実際に企業で働いてみると、母国語が英語の国では英語だけでは現地の人に勝てないと痛感しました。それで数字を扱う会計士になろうと思いました。

現在は、国連世界食糧計画(WFP)のタイの地域事務所に勤務しています。本部はイタリアにありますが、本部の下に6カ国の地域事務所があり、その下に83カ国の国事務所があります。その地域事務所の1つがタイ・バンコクの地域事務所で、アフガニスタンからフィジーまでの17カ国を見ています。ファイナンス・オフィサーとして勤務し、各国事務所の会計処理が国際公会計基準に沿っているかチェックすることを主な仕事としています。また、各国事務所の内部統制の精査や、本部との調整という業務を行なっています。

栗本博行学長(以下、学長):なぜ、ニュージーランドから国連に勤めることになったのですか?

新谷:ニュージーランドで公認会計士になったので、その関係で国連に入りました。外務省が行っているJPO(Junior Professional Officer)プログラムというものがあり、35歳までしか応募できないのですが、当時34歳で最後のチャンスと思い、チャレンジしました。

学長:ニュージーランドでは会計学の修士号(マスター)を取得すると公認会計士になれるのですか?

新谷:いえ、別の試験があり、3年間の実務経験も必要となります。マスターを取得して、その後に公認会計士試験のプログラムを受けていました。

現在タイで働かれているとのことですが、どういった経緯でタイで働くことになったのですか?


栗本博行学長

栗本博行学長

新谷:本部勤務の契約は残っていたのですが、タイに空きができたことがきっかけです。2008年から2021年までアジア以外に住んでいたので、アジアに住みたいという気持ちと、役職が上がるといったこともあり、タイに勤務することを決めました。これまで、ニュージーランド、ケニアのナイロビ、イタリアのローマ、タイのバンコクに移り住んできました。

学長:国連WFPの本部はイタリアにあるんですね。ミラノにはイタリアを代表するビジネススクールとしてボッコーニ大学があり、名商大の提携校ですよ。私も何度か訪問したことがあります。

新谷:友人がボッコーニ大学の出身で、素晴らしい学校だと話してくれました。

学長:タイの提携校でいうと、サシン経営大学院という国立大学の日本研究所は、日系企業のタイでの活動を支援する機関で、そこの研究者が今も名商大で教鞭をとっています。

後編へ続く


新谷雅之(しんたにまさゆき)/2003年外国語学部卒。石川県野々市明倫高校出身。在学中は香港中文大学に交換留学。卒業後、竹中工務店に勤務。退職後、Victoria University of Wellington, New Zealandにて会計学の修士号取得、オーストラリアとニュージーランドの公認会計士試験(Chartered Accountant)に合格。その後、国連世界食糧計画(WFP )に勤務、ナイロビ、ローマを経て現在はバンコク地域事務所にてFinance Officerとして勤務。


栗本博行(くりもとひろゆき)学長/大阪大学にて博士(経済学)を取得。製品開発戦略を主な研究対象とし消費者行動分析に関する論文を多数執筆。近年はMBA(経営大学院)の教育課程開発を中心に担当しながら、事業継承および長寿企業に関する研究に取り組む。事業承継学会常務理事およびAMBAアジア太平洋諮問委員。