留学生と日本人学生が、お互いの文化やマナーを共に学ぶ《多文化共生社会の理論と実践》
国際学部で行われているインテンシブ教育プログラム(集中プログラム)では、議論して学ぶ「ケースメソッド」と体験して学ぶ「フィールドメソッド」を効果的に組み合わせることで、多文化社会で必要となる異文化理解の基礎的な視点や知識、多様性を尊重する姿勢を身につけることを目標としています。その一つである「多文化共生社会の理論と実践」の授業では、前半の“理論”を佐藤亜美専任講師、後半の“実践”を栗原典子准教授が担当しています。
前半は、ケースディスカッションやグループワークを通じて、異なる言語圏のコミュニケーションを比較しながら、異文化理解や異文化コミュニケーションの理論と概念を学びます。後半は、世界における多様な文化について、日本にルーツを持つ学生(本学1年生)と海外にルーツを持つ学生(本学の英語だけで学位を取得できる学部 Global BBA に所属する学生)が協働でリサーチを行います。その過程において異文化に対する理解を深め、多様性を受け入れられる心を養います。またリサーチ内容の発表を通じて固有の文化に対する知見を深め、敬意を育むことを目標としています。
多文化共生とは?
総務省(2006)は「多文化共生」について「国籍や民族などの異なる人々が、お互いの文化的差異を認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくこと」と定義しています。
前半のケースの一例
サウジアラビアの留学生のケース「挨拶しないの?」
サウジアラビア人の留学生は急いでいる時に、同郷の友達に会いましたが、挨拶しませんでした。しかし、翌日は仲良く話しており、喧嘩をしたわけではなさそうです。サウジアラビア人の留学生がなぜ挨拶をしなかったか、その理由を文化的、宗教的背景から考察し、意見交換を行いました。
後半の授業の一例
前半で学んだ理論や多文化理解を活かして、Global BBAに所属する学生も交えたグループに別れて活動を行います。海外にルーツを持つ学生の食文化やマナー、その料理の由来や時代背景について、日本と海外の違いや共通項を見つけ、英語でプレゼンテーションを行いました。ロールキャベツに似たスウェーデンのコールドルマル、お餅に似たガンビアのフフなど、日本と海外で似た料理があることでも盛り上がっていました。また、食事前後のマナーに関しても、食事ができることに感謝を示す国と食べ物に感謝する国、他者(目上の者)に敬意を払う国と様々であり、食文化の違いについても活発な話し合いが行われました。
受講学生の声
学生からは「海外にルーツを持つ学生の食文化を知ることができておもしろかった」、「実際に紹介された料理を食べに行きたい」という声が聞こえました。