
商学部が提供する会計学入門の授業は「税理士」や「公認会計士」を目指す学生にとって重要な科目。会計学の基礎的な知識の修得から始まり、会社の成績表ともいえる財務諸表から企業活動を読み解く力を修得するのです。このような財務諸表を経営情報として活用する力は、企業にアドバイスを行う立場の税理士や公認会計士以外でも社会人としてぜひとも修得したい能力。名商大の商学部ではこうした実学志向の授業を「ケースメソッド」と呼ばれるMBA流の手法で提供しているのです。
会社の利益はどう活用すべき?
本日の授業では「八事整体院」という企業が抱える課題を描写した「ケース」と呼ばれる教材を使用します。その整体院の財務諸表を用いて、どうすれば利益を得ることができるのか?獲得した利益をどのように活用すべきか?について意見交換を行いながら授業が進行します。八事整体院が利益を出すためにはボーナスは不要だろうか?その理由は何?など担当教員の関口教授が次々と学生に質問を投げかけながら、参加者の意見を積極的に引き出していきます。授業に参加した4年生の金川さんは「先生がサポートしてくれるので、自由に自分の答えを発表できる環境です。将来は学んだ会計の知識を生かせるような仕事に就きたいと思います。」と語ってくれました。
なぜ商学部ではケースを使うのか?
どうしてケースを使用した授業では自由に発言できるのでしょう?それは現実の社会に「正解」がないのと関係しています。商学部が得意とする実学志向のケースメソッドは正解のない現実社会と向き合うための学修手法。考え方の異なる多様な参加者で議論するケースメソッドクラスは「学びの共同体」とも呼ばれ、社会人が通うMBA教育では人気のスタイル。名商大はこの教育手法を全学的に採用している国内唯一の大学なのです。
取材:2021年4月
税理士コースとは
税理士・公認会計士コースは日商簿記1級合格をステップに、税理士・公認会計士試験の科目合格を目指す特別カリキュラムです。1年次よりコース専門のセミナーに所属し、税理士資格を持つ教員の指導を受けます。まずは、1年次の11月に受験する日商簿記1級の合格を目指します。2年次からは、税理士試験科目の簿記論、財務諸表論などの対策をします。一般講義とは別に週2回の対策講座を受講します。

