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《授業レポート》アクティブラーニングで学ぶ佐野 哲哉先生の「セミナー1」

#名古屋商科大学 #アクティブラーニング #商学部 #ケースディスカッション #セミナー

「ケースディスカッションで社会問題を考える」



2年生のセミナーである佐野先生の「セミナー1」では、個々の学生が社会の中で生きる方向を見定め、社会の中で生きていくのに必要な能力を身につけることを目標とします。今回の内容は、結合性双生児の分離手術についてのケースディスカッションでした。生まれつき体が腰と尻のあたりで結合していたジョディとマリーという結合性双生児の珍しい事例を取り上げて行われました。手術をすればジョディは生き残るがマリーは死んでしまうという状況で、あなたならどんな選択をしますか?という問いに対し、学生同士でディスカッションを行い、自分の意見を発表してもらいました。手術しないといった学生の意見としては、「生き残った方が罪悪感を持ってしまう」「本人達の意見を確認できていない」「手術をしてもジョディは五体満足では生きられないのではないか」「手術をするとどちらかが死んでしまうので、医者が殺人をすることになるのではないか」等がありました。手術するといった学生の意見としては、「医者は人を助ける義務があるので、1人でも助けることが必要」「手術することで同様のケースの人たちに希望を与えることができる」「2人死ぬよりは1人死ぬだけの方がまし」「親にとっては、どちらか1人だけでも生き残ってくれた方が良い」等がありました。

「倫理的で難しいテーマを通して」

学生の意見を聞いた後、佐野教授より実際の結果について解説がありました。2人の両親はヨーロッパの信心深いキリスト教徒で、「人は生まれたままで生きるべき」という考えを持ち、手術に反対し裁判を起こしました。また、この事例は当時大きく取り上げられ、「乳児」は人であると認められるのか?という別の議論も巻き起こしました。結局手術は行われ、マリーは死に、ジョディは生き残り、法律上医師が裁かれることはありませんでした。それは、2人が死ぬより、1人が生き残る方が良いという「カルネアデスの板」という緊急避難の考え方があるから、と佐野教授は語っています。倫理的なテーマであり、佐野教授自身も「難しいテーマ」であるとおっしゃっています。学生たちも答えを出すことをためらっていたり、難しそうな表情が伺えました。そんな中でも学生間で活発な議論が交わされ、それぞれの答えを導き出していました。